FPが考える住宅ローン・借りれる金額と借りていい金額の違い

MONEY PLUS

今回は住宅業界でセールスマンとして働いてきて感じた事・マイホーム取得を考えている方々に少しでもプラスになる情報を発信したいと思います。

各金融機関で住宅ローンの金利が非常に安い水準となっており、変動金利で0.5%前後・固定金利でも条件によっては1%を大きく下回る金利となっており、住宅ローンの金利としては非常に低金利の状態となっています。

ジュン
ジュン

価格ドットコムにはローン金利まで商品としてあるんですね。。


銀行としてはマイナス金利(本来なら金利で増えるはずが、預けているだけで金利として引かれていく )となっている現在では、中央銀行にあずけておくよりは顧客に貸し出した方がお金が減らないので、低い金利でもどんどん貸し出したい状況下に置かれています。

そのため、銀行間での金利競争が生まれ、低水準の金利状況になっている状態ですね。

住宅ローンにおける借りれる金額と借りていい金額

まずは借りる事のできる金額について説明していくと、銀行では住宅ローンの借り入れ可能金額を算出する際に、年収に対する返済比率という考え方で借入の可否を判断します。

多くの銀行員に融資の相談を行い、実際に住宅ローン手続きを代行した経験から、銀行側としては公務員・看護師など将来的に収入が見込める特定の資格を持っている人材・上場企業に勤めるサラリーマンなど、定年までの労働収入を計算しやすい職業の人の方が借りやすい傾向にあります。

銀行からの融資が通りやすい職業

経営者・個人事業主 会社員公務員系・看護師など

もちろん医師や弁護士などをはじめとする高収入の方々は上記に関係ないと思ってもらって大丈夫です。

経営者、特に法人ではない自営業者の場合は税金を抑えるために所得自体を低く申告している方もたくさんいると思います。それがネックとなり借り入れが難航する恐れもあるので、融資を借りる予定がある方は申告所得はできるだけ多く計上した方が得策です。

当然ですが、信用情報( 過去の借り入れなどの支払い実績等 )に問題がある場合などはいくら収入が多くても融資がおりない可能性もあります。

ちなみに信用情報を取り扱う機関として以下の3社が存在します。

信用情報取り扱い機関について

信用情報取り扱い機関

JICC
( Japan Credit Information Reference Center Corp・日本信用情報機構 )


CIC
(CREDIT INFORMATION CENTER・割賦販売法 貸金業法指定信用情報機関 )

一般社団法人 全国銀行協会

クレジットカードの延滞や銀行からの借り入れ状況などは全て上記の情報機関にて記録されていますので、少額だからと甘く考えないほうがいいです。

ちなみに最近では携帯電話の割賦払いまで履歴として残ります。

3回続けて、支払が滞ると異動という記録が残ります。俗にいうブラックリスト入りとなってしまい、クレジットカードの作成や各種ローンなどが完済から一定期間組めなくなってしまうのでお気を付けください。

銀行から借りる事のできる借り入れ金額の計算方法

銀行は年収から計算して指定の返済比率に収まっているかどうかで貸し出し金額を判断します。

銀行によっては、所得が高いと35%~40%、収入が低いと20%~25%が上限となる場合もありますが、一般的な目安として今回は30%で計算、説明していきます。
※銀行や現在の所得によって返済比率の上限は異なります。

銀行からの借り入れ可能額を計算

年収 ÷ 12 × 30% = 月の支払い金額上限

仮に年収が400万円の方がいたとします。

400万円を12か月(1年)で割ると約33万円が1か月あたりの収入となります。

さらにこの33万円30%を計算すると9万9000円

ざっくりいうと10万円ですね!

銀行がいう年収に対する返済比率30%の10万円が月々に支払う金額の上限になります。

この10万円の月々支払金額から計算すると3500万円も借りれるんです。

3500万円借り入れ 35年払い ※金利1%で計算した場合

月々の住宅ローン 支払金額 98,799円

銀行によって、審査金利 ( 実際の支払額<審査用の少し高めの金利 )が異なる場合もありますが、最近では顧客が借りやすいように、実行金利( 支払いが発生するキャンペーン金利など )がそのまま審査金利となる銀行も増えています。

返済期間が短くなると、月の支払額は増えるので借入可能額が少なくなります。ちなみに今は最長借入期間が40年まで伸びたので、返済期間を延ばすともっと借りることもできます。

3900万円借り入れ 40年払い 金利1%で計算した場合

月々の住宅ローン 支払金額 98,613円

借入期間を長くとると3900万円も計算上では借りる事ができます。

当然ですが、借りれるからといってギリギリまで借りたり、できるだけ返済期間を長くすればいいと言っている訳ではありません。あくまでも計算上でどこまで借りれるかという話しです。

個人的にはリスクを取ってでも前進したい性格なので、1%前後の低金利であれば、できるだけ長く銀行から借りておいて返済額が少なくなることでできた余裕のある現金は1%以上の利回りで運用すればいいと考えています笑

銀行から借りても安全だとされる借入金額の計算方法

次に無理のない範囲での借り入れ金額を計算する方法をご説明します。

30%まで借りれるとは言え、車や高額な物を分割払いで買うなど、他にローンを組む必要がでてくるかもしれないです。さらには住宅購入だけがすべてではないので無理をして借りたはいいが我慢ばかりして過ごすのは心の面でも幸せと言えるのでしょうか?

個人的にはそういった点も踏まえて、2025%の返済比率・欲を言えば20%程度に支払額は抑えておいた方が余裕のある資金計画だと言えると思います。

無理のない範囲での住宅ローン借入金額の計算方法

年収 ÷ 12 × 20% = 月の支払い金額上限

おなじく年収が400万円で計算します。

400万円÷12か月=約33万円

33万円×20%で計算すると6万6000円

かなり現実的な金額になってきましたね。

2300万円借り入れ 35年払い ※金利1%で計算した場合

月々の住宅ローン 支払金額 64,925円

年収400万円の人が無理なく返済していけるであろう借入金額は2300万円くらいをおススメします。

自己資金の有無・家族構成(債務者以外の収入)・債務の状況(他の借り入れ有無)によって一概には言えませんが、今は多くの銀行で諸費用などを含む全額をローンで借りる事のできる時代なので、特に若い世代の方は余剰資金を無理に投入せずにこれくらいの金額なら全額借り入れでもいいと思います。

住宅を建築する場合には建築費用土地代諸費用など、さら詳しく資金計画を振り分けていく必要がありますが、その話しはまた別に記事で書いていきますね。

今の時代は社会が多様化してきて、暮らし方、考え方も昔とは違ってきています。車や家などもシェアすれば十分だと考える人も増え、同じ地域に住み続ける・同じ会社に勤め続ける・そんなライフスタイルも当たり前ではなくなってきているかもしれません。

それでも家族が増えて、マイホームで幸せそうに暮らす人もたくさん見てきました。何が幸せなのか、何が正解なのかは自分自身で考え、選択していく必要があると思います。

もしマイホームを買う機会があったら、参考にして頂ければ幸いです。

『 普通である事の勇気 』※アルフレッド・アドラー

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