首位ターンで交流戦へ
2022年シーズンもヤクルトスワローズが強い。
5月後半、特に交流戦に入ってからは自慢の打線がついに波に乗り始めたが、チーム打率は .238 とセ・リーグ5位。ホームランや少ない安打でも犠打や進塁打・盗塁など足をからめて効率よく得点するパターンも多いので得点数は201点とセ・リーグ3位。打撃成績だけを見ると打線が絶好調とは言えない中で、苦しい展開でも粘り強く接戦をものにして首位で交流戦に突入したのは投手陣の活躍が大きいのではないだろうか。
ここ数試合は乱打戦が続いた影響で阪神に次いでセ・リーグ2位となってしまったが、チーム防御率は2.91(※5/28時点)と例年になく安定している。特に中継ぎ陣が素晴らしく、交流戦突入時にはなんと防御率1点台に突入し、12球団トップの安定感を誇っている。
そこでヤクルトファンのためにも中継ぎ陣の成績を一覧にまとめてみた。
12球団随一のブルペン
若手投手陣の台頭
先発・中継ぎともに崩壊し、打線が先制しても逆転されていた数年前が嘘のように成績が安定している。
なかでも若手の台頭が著しく、2年連続で最優秀中継ぎの清水・昨年は2軍でも打ち込まれていた木澤がすでに3勝・さらには大西といったドラフト組が順調に育ち、今季いまだに自責点0の田口が完璧にリリーフをこなし、楽天で戦力外となった今野も結果を残し続け、ついには勝ちパターンに定着するなど移籍組も欠かせない戦力となった。日本シリーズの男気起用から覚醒した感があるマクガフは最近まで18試合無失点と守護神として君臨、新入団のコールも初登板時はダメかと思ったが現在は安定しており、外国人選手の活躍も見逃せない。
打者でいうと村上も該当するのだが、ここ数年は清水・奥川・木澤とドラフト1位の選手を1年目は2軍でじっくりと育て、2年目には1軍で活躍し始めるという流れができつつある。無理をさせず、順調に育成できているという事だろう。という事は来年は山下が覚醒すると期待してしまうではないか。
コーチ陣・キャッチャーの充実
現代では投手の肩は消耗品だと認識され、各チーム先発投手の球数制限や登板間隔もしっかりと管理されている。という事は中継ぎ陣の充実が投手力に直結しているといっても過言ではない。
スワローズのコーチ陣には、黄金期のストッパーを務めていた髙津監督を始め・伊藤コーチ・石井コーチと歴代スワローズブルペンを支えてきた名投手が並んでいる。さらには2020年より就任した尾花2軍投手チーフコーチの育成が素晴らしいといった声もあがっている。
ヤクルトスワローズの黄金時代を築いた野村監督が、阪神・楽天と低迷していたチームの基盤を作った結果、後任の星野監督が優勝させていたという例もあるので、単純に今いるコーチだけではなく、現DeNAの斎藤コーチやヘッドコーチとして低迷期に鞭を振るっていた宮本ヘッドコーチの貢献もあるのかもしれない。今季から長い間空き番号となっていた27番を引き継いだ中村捕手や不在の間にマスクをかぶっていたキャッチャー陣を指導するバッテリーコーチが優秀なのかもしれない。
いずれにしても、今のヤクルトは雰囲気も良く強い。盤石の投手陣・堅い守備・破壊力のある打線・これは新たな黄金時代を築いてくれるのではないかと、ファンならば期待せずにはいられない。
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